パトシBLOG

インフラエンジニア兼マネージャーがキャリアとおすすめの本を綴る

転職は辞め方がその後の運勢に影響する:転職哲学 ~ 山崎元

僕は30代後半で人生初めての転職をした。誰もが名前を知っている大企業にいたので、実は辞めることにかなり悩んだ。そんな時に手に取り、とても役にたった本がこの本だった。筆者の山崎元さんはこの本の執筆時点で11回の転職を経験していたという人で、『今や、転職の仕方は働く個人のすべてが知っておいた方がいいビジネス常識のひとつだ。』と書いている。僕はこの本を読んだうえで初めての転職に臨んだことを本当に良かったと思っている。おかげで転職先の現職では十分成功したと言えるキャリアを送れている。

将来がわからないのは、どこにいても同じこと

僕は大企業にいて十分な収入を得ていたので、転職することでその安定を捨てることを少なからず躊躇した。自分の力をもっと試したい気持ちは強かったのだが、規模の小さい会社に移ることに不安があった。だが、この本を読んでいて将来のことなんてどこの会社にいてもわからないことを悟った。だから、安定した会社に居続けることを諦め、会社に頼らず自分の力で稼いでいくことを選ぶ勇気をこの本からもらった。現に、最近のコロナ禍では大企業でもリストラを活発化させていたり、社会情勢によって大企業もどうなるかわからなくなっている。(前職の会社は幸いにも今のところ好調のようだが。) 

ヘッドハンターとの付き合い方

初めての転職だとヘッドハンターとの付き合い方がわからない。ましてや僕はヘッドハンターというのは企業から密命を受けて有望な人材を引き抜く、めったにお目にかかれない崇高な職業だと思っていた。転職経験のある人ならわかると思うが、実際はヘッドハンターを名乗る人は数えきれないほど現れる。彼らの目的は僕らを売ること。売った年収の2〜4割が彼らにキックバックされるのだ。当然、ピンからキリまでいるので付き合う相手は選ばないといけない。この本にも書かれているが、安易に履歴書、職務経歴書を彼らに渡すべきではない。どこに流れていくかわからないからだ。ヘッドハンターについて随分誤解していた僕はこの本を読んでいたおかげでヘッドハンターと適切な距離をとることができた。

辞め方はその後の運勢に影響する

辞めるのはとてもエネルギーが必要だ。多少なりとも引き留めにも合うだろうし、悪く言う人も当然いる。そういう状況に耐えていると、不平不満も沸いてくる。でも、大人の態度で気持ちよく去った方が良いに決まっている。退職を伝えた後でネガティブになりかけていた時に、堂々と自然に振る舞えば良いということがこの本に書かれていたので吹っ切れることができた。

初めての転職をしようとしている部下にも勧めている

不平不満に任せて会社を辞めようとしていた部下がいたが、この本を渡してゆっくりと落ち着かせたこともある。決して辞めることを引き留めたわけではないのだが、次が決まっていないのに辞めることは不利になることや、辞め方がその後の人生を左右することを懇々と説いた。彼はそれをわかってくれたのか、不平不満の矛を収め、きちんと辞めて次の会社に移った。いまでも時々会うし、彼の今の上司とも話すのだが、とても活躍しているようで嬉しく思う。

僕もまだ一度しか転職の経験がないので偉そうなことは言えないが、日本はまだまだ転職の文化や意識が低いと思う。こういう本があるのは嬉しいし、初めての転職で悩んでいる人にはぜひ手に取ってもらいたいと思う。