パトシBLOG

インフラエンジニア兼マネージャーがキャリアとおすすめの本を綴る

僕が課長になる前に読んで役に立ったビジネス書:究極の判断力を身につけるインバスケット思考

前職で管理職登用試験を受けるに当たり、筆記試験としてインバスケット問題というものが組み込まれていたため、この本を含めかなりの量のトレーニングをした。もう10年近く前の話にはなるが、その後の管理職業務において、このインバスケット思考は大変役に立っていると思う。

インバスケットとは

そもそもインバスケットとは、1950年代にアメリカ空軍で開発されたトレーニングツールで、制限時間内に架空の役職・人物になりきり、多くの未処理案件の処理を行うビジネスゲームのことを指している。日本では一流と呼ばれる大手企業の多くが、管理職の教育や選抜用のテストとして活用していると言われる。

インバスケット・ゲームには様々なケースがあるが、大抵の場合は、
  • あなたは急遽、xxx部の管理職に任命されました
  • 新しい職場の前の管理職は体を壊して入院中で話は聞けません
  • 本社からの指示や、部下からの相談、顧客からのクレームなど、未処理案件が山積みで放置されています
  • 今日中に新しい職場に行って、部下に指示を出してきてください
  • 一方であなたは前の職場の仕事として明日から出張で今日の便で発ちます
  • 今日、新しい職場にいられる時間は2時間しかありません

といった具合だ。時間が十分にあれば、丁寧にひとつずつ処理をすれば良いのだが、慣れていないと、上から順番に処理をしてしまい、とても制限時間内には終わらない。山積み案件の中から、緊急な案件と重要な案件を絞り出し、適切な指示を出す能力が必要になる。もちろん、どうでも良い案件を見つけ出し、潔く捨て置く能力も必要になる。正直、2時間以内に全ての案件に対して適切な指示を出すことはできない。 

インバスケット思考を身につけると、リアルな場面で時間の余裕ができる

リアルな場面で、緊急または重要な案件を優先的に処理するようになると、時間の余裕ができる。もしかするとそれよりも、どうでも良い案件を捨て置くからかもしれない。だから僕はほとんど残業はしない。周りの管理職はみんないつも忙しそうにしていて、僕が楽しているように言われるが、要するにインバスケット能力の差だと僕は思う。

プロジェクトマネジメントも上手くなる

たとえば、プロジェクトマネジメントをしていると、メンバーは重要でもない緊急でもないタスクを先にやりたがる。なぜならそういうタスクは早く片付くからだ。でも、そういうタスクは早く終わろうが終わるまいが、進捗に影響がない。むしろ終わらなくても影響がない場合さえある。だからそういうタスクは捨て置かせて、緊急なタスクを先にやらせるようにマネージャーは指示しなければならない。そういう選別を身につけるのもインバスケットだ。

管理職になるなら、インバスケット思考はぜひ身に付けておきたいスキルだ

いま、このトレーニングを受けていない、ましてや知りもしない課長たちと議論すると頭が痛くなってしまうが、自分はこのトレーニングを真剣にやっておいて本当に良かったと思っている。管理職は山ほどの問題と接することになる。いちいち全てに真剣に取り組んでなどいられないのだ。

この本の主人公はケーキ屋の店長、青山あみさん

この本はそのインバスケット思考の中でも入門書で、初心者向きのわかりやすい本だと思う。 主人公はケーキ屋の店長になった青山あみさん。僕も一番最初にこの本にお世話になった。管理職業務に悩んでいる人がいれば、騙されたと思って一度手に取ってみて欲しい。