パトシBLOG

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空母いぶき:尖閣諸島問題を考えさせられるこのマンガが面白い

第1巻の冒頭が尖閣諸島の南小島に中国人が上陸するシーンから始まるので、2010年に起きた尖閣諸島での海上保安庁の巡視船と中国漁船との衝突事件を題材にした作品かなと初めは思ってしまったが、空母だから海上保安庁ではないですね。自衛隊が主人公です。内容はリアルな日中間の領土問題であり、実際に起こりうるかもしれない緊迫した軍事衝突が描かれているのでどんどん引き込まれてしまった。ちょうどアメリカの次期大統領選挙でバイデン氏が当選確実になったことで、菅首相が速攻で尖閣諸島への日米安全保障条約適用を確認したというニュースも流れましたね。尖閣諸島問題を考えるにはちょうど良いタイミングのマンガだと思う。全13巻完結。

自衛隊による防衛出動

このマンガでは自衛隊による全ての武力の行使が可能となる防衛出動が発令される。防衛出動とはどういうことなのか、恥ずかしいことに僕は知らなかった。戦後まだ一度も発令されていないという。

防衛出動(ぼうえいしゅつどう)とは、日本間国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に際して、日本を防衛するため必要があると認める場合に、内閣総理大臣の命令により、自衛隊の一部または全部が出動すること。自衛隊法第6章「自衛隊の行動」のうち第76条に規定されている。一種の軍事行動と解される。ただし、戦時国際法上の宣戦布告には該当せず、自衛権を行使することはできても、交戦権は認められない。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

防衛出動下においても、自衛隊はあくまで領土奪還、人命救助を最優先とし、敵空母、戦闘機の撃沈は避け、専守防衛の縛りとともに戦う葛藤がうかがえる。 

尖閣諸島日米安全保障条約第5条の適用範囲か

このマンガでは国連安全保障理事会アメリカが尖閣諸島に対しての立場を言及するシーンがある。ちょうど最近、菅首相がバイデン次期大統領と会談したニュースが流れましたね。日本の首相がアメリカ次期大統領と真っ先に確認する事項が尖閣諸島問題であることから、いかにこの問題が日中米間で重要かがうかがえますね。

いざとなったら、米軍は尖閣諸島に出動するのか

さて、日米安全保障条約の適用範囲であるとアメリカ次期大統領が言ってくれたから、いざとなったら米軍が自衛隊より先に出動してくれると日本国民は思っていると思うし、僕もこの本を読む前はそう思っていた。しかし、このマンガの垂水首相が言っているように、日本が主権国家である以上、自国の領土は自国で保全するのが当然であり、自衛隊がまず先に事に当たらねばならないだろう。それに、米軍が尖閣諸島で中国と戦闘を始めると、米中戦争、さらには第三次世界大戦に突入する危険を孕んでいる。だから米軍はあくまで抑止力として、自衛隊が事を治めないといけないだろう。このマンガの自衛隊は、僕らの知っている自衛隊よりも緊張感の高い自衛隊だ。

いざとなったら、日本はこのマンガのように迅速に対応できるのか

このマンガでは、首相が迅速に防衛出動を決断し、防衛省、外務省が連携し、そして日本国民は領土奪還のための中国との戦闘を受け入れているが、実際に中国と衝突が起きた時にはどうなるのだろうか。正直、こんな風にはいかないと思う。特にマスコミがいつものように政府と自衛隊を煽り立てるだろう。いつもテレビに簡単に振り回される大衆も問題だと思うが。国民はテレビの情報に振り回されないように、こういうマンガで予備知識を得ておいた方が良いと思う。僕はこのマンガを通して尖閣諸島問題へのアンテナを強くしたと思う。空母いぶきは映画化もされているので、これからAmazonで観てさらに尖閣諸島問題を勉強しようと思った。