元読売巨人軍の江川卓さんと西本聖さんのライバル伝。全12巻完結。
今の若い方にはイマイチわからないかもしれないが、僕のような40代のオジさん達には昔のプロ野球を思い出させてくれる懐かしい話。
アンチ巨人こそ読むべきマンガ
かくいう僕は関西出身なので少年時代から阪神ファンだった。当然アンチ巨人。
だから江川さんも西本さんも大嫌いだった。特に江川さんは(笑)
江川さんはわがままを通して周囲に迷惑をかけ無理矢理巨人に入ったというイメージを持っていたので、そしてアンチ巨人だからという理由だけで江川さんのドラフト話は知ろうともしなかったのだが、このマンガでよく知ることができた。
江川さんはただ巨人に入りたかっただけで空白の一日事件は大人達に振り回されてしまったんですね。よく考えれば、22-23歳の若者にルールの隙間を突くような悪知恵が浮かぶはずがない。小林繁さんとのトレードではなく金銭トレードを望んでいたといういきさつを初めて知ることができた。先入観だけで人を見ていてはいけませんね。
小林繁さんがカッコいい
そして、小林繁さんがカッコいい。阪神移籍の初年度は22勝の最多勝で沢村賞。追い出した巨人に対する意地とは言え、ちゃんと結果で示すのがカッコいい。
小林さんはもう亡くなってしまったのが残念だが、この江川さんと小林さんが対談した黄桜CMが好きです。
小林「もう風化してるよ」
小林「俺がそこまで大人じゃなかったからね」
小林「謝ることないじゃん、しんどかったろうな」
30年経っているとは言え、自分の人生を変えてしまった相手に対してそういうことが言える大人に憧れる。
雑草西本さんがスター江川さんに対して執拗なライバル心
一方、西本さんは中日で20勝したイメージが強いのだが巨人時代に江川さんに相当突っかかっていたようだ。相手は3回もドラフト1位指名されているスターに対してドラフト外の雑草がライバル心を燃やすというのは今の時代ではなさそうだが。
とはいえ最終的にプロ通算勝利数でみれば、江川さん135勝、西本さん165勝で西本さんの方が上回ってますからライバルの存在って人の人生を変えてしまう出会いなんだね。ちなみに小林繁さん139勝。
まとめ
ただの過去のプロ野球の出来事を綴っただけのマンガのようだが人生を学べるマンガです。ワガママで他人に迷惑をかけてしまったらそれに見合うだけの結果を出さなければならないというプレッシャーの中で戦い続けて結果を出した江川さん。絶対に江川に負けられないという意地で最多勝、沢村賞をとった小林さん。実力分不相応な相手に対してライバル心を勝手に燃やし最終的にはそれを上回る結果を残した西本さん。
要するに意識するライバルがいたから彼らの野球人生は濃いものになったということでしょう。。サラリーマンも同じかな。濃密なサラリーマン人生を送るため僕も意識する相手を持ち続けないといけませんね。